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フォングの性格は強面の顔や図体と相反して、とても温厚でした。
無邪気で人懐こく最後まで子供っぽかったです。近所でも人気者でした。
人に対して威嚇吠えをすることはありません。よって番犬としては役立たづです。
オオカミの習性で遠くからの拡声器に反応しては遠吠えをしてました。
自慢できる特技は無いものの、水に対する恐怖心は無く浜辺に連れて行くと、
自分の背丈の10倍はある波に突っ込んでいきます。
勇敢なのか、単なる馬鹿犬なのか悩んだものです。
スキー場に連れて行けば、さすがハスキー。1日中雪遊びしてます。
そんなフォングの苦手なものは、高い場所とお医者さん。
高い場所では足がブルブル震えて、動物病院では逃げる事しか考えていません。
フォングの由来は、牙という英語のFANGからとっています。
映画「ホワイト ファング(白い牙)」のオオカミ犬に似ています。
流石に牙のファングでは可愛らしさに欠けるため、「大人しい」のオに変えて、
「フォング」となりました。
命名の甲斐があったのか、人を噛んだ事は一度もありませんでした。
生涯で一度だけその牙を剥いたことがあります。
それは私の妹が飼っていたシェットランドシープドックが野犬に襲われた時です。
強暴なところを一度も見せた事無かったので、弱っちいのかと思っていたけど、
見事野犬を撃退しました。(フォングは無傷で野犬は流血してました)
飼主にとってペットとの死別は辛い事ですが(このページを作成中は涙が止まりません)、
フォングは最後の日まで元気でした。
夕方の散歩を終え、御飯を食べてしばらくすると異変が…
私はその日夜勤でしたので、元気の無いフォングを妻に頼みました。
後は妻から聞いた事です。
あまりにも様子がおかしかったため私の母親が紹介したタクシーと動物病院を手配しました。
タクシーが到着するまでに急変し周期的に襲うような苦痛に耐える辛そうな顔を見せぐったりと倒れこみ、
妻の問いかけに切なく答えようとする仕草を最後に、激しい痙攣を起こしたそうです。
痙攣を起こしてからは、最早意識が無かったそうです。
病院で痙攣を抑える点滴してもらうと、痙攣は納まるものの意識は戻りません。
とにかく緊急入院して手当てをお願いしました。
翌日、病院に行ったところ医師から予後不良が言い渡されました。
点滴を止めると再び痙攣が起き、意識も戻る見込みがないと。
医師の診断で病名は肝臓癌の末期だそうです。
苦渋の選択ですが、親戚等に連絡をし最後のお別れをしてもらい、安楽死をお願いしました。
大人になったフォングと右は一緒に飼っていた妹のシェットランドシープドッグ。