タイトル | : オールシーズンタイヤの雪道性能 |
記事No | : 1142 |
投稿日 | : 2008/12/28(Sun) 06:53 |
投稿者 | : かめ@神奈川(川崎) 【p1210-ipbf211hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp】 |
オールシーズンタイヤ オールテレーンタイヤ ミックスコンパウンドタイヤ
いずれもマッド&スノー特性を持ったタイヤであり、同じ意味合いを持っています。スノー特性を持っているタイヤなので、チェーン規制のすべり止めとして規制対応している。 第2次チェーン規制は全車両チェーンを装着しなくてはならず、スタッドレスタイヤでも例外ではない。まあ、この第2次チェーン規制ってお目にかかったことありません。そういう場合通行止めになります。 要するに規則上ではスタッドレスタイヤもオールシーズンタイヤもすべり止め冬タイヤとして同等に扱われているようです。
そこで、スノー性能がどの程度なのか実際に検証する事にしました。この時期雪を求めるには東北しかないと、秋田と岩手で温泉巡りをしました。
ネットで調べるとオールシーズンタイヤは、ケチョンケチョンのバッシングです。夏タイヤに毛が生えた程度だとか、浅雪までで圧雪や凍結じゃ使い物にならない、夏冬共に中途半端なタイヤだと。殆どの人が同じような事言ってます。勘違いした意見では、道路は個人の物ではないから、オールシーズンタイヤでトロトロ走られたら迷惑という輩も。おいおい、チェーン装着車の方が渋滞作っているぜ。まあ日本人の性質の現われだと思いました。
少数派の意見としては、北海道で4年間オールシーズンタイヤだけど問題無いという人や、スタッドレス履くのは世界中で日本人だけという意見も。環境面から見れば資源を使って廃材も増やしているのは確か。安全性を求めるならば、雪道を走らないのが良いわけで、走るにしてもクローラー(カタピラ、キャタピラ)や全タイヤチェーンです。しかし幹線道路は除雪に力を注いでいる為、道路保護から国は冬タイヤを推奨している。
また日本のタイヤメーカーはどうも及び腰のようで、過度な期待をされたら困るという事から、去年まで浅雪まで対応というカタログ表記が今年から削除されている。スタッドレスも売りたい戦略か?性能が下がるわけは無いし、同じ商品からも各メーカー浅雪の文字を消してる。意味深である。
まあ百聞は一見に如かずじゃないけど、実際に体験して検証するのが良いと思いました。若い頃2WDの夏タイヤでスキー場に行っていた私としては、ノーマルタイヤでもある程度は運転技術でカバーできると思っています。それでいてオールシーズンタイヤが夏タイヤに近いのかスタッドレスタイヤに近いのか検証です。
使用タイヤは既に5000km以上走行している 横浜ゴムTY285(215/65R15 110/108L LT M + S) フォング号はABS付カムロードフルタイム4WD
秋田岩手にて、大雪の中あらゆる場所で、少々荒い運転をしたりとテストを繰り返しました。 強い順に並べると ウェット→シャーベット→浅雪→新雪→深雪→圧雪→凍結 っていう感じです。
まず浅雪までは、雨天と同様に走れました。 急ブレーキ急ハンドルでもコントロールできます。 新雪も急ハンドルをしなければ、十分コントロール可能で急ブレーキもABSが軽くかかって、ちょっと制動距離が長くなるけど、十分止まります。
深雪は荒れた一般道と一方通行の高速道路では雲泥の差です。荒れた一般道ではハンドルが取られやすく、コントロールに若干神経を使います。ブレーキ時も流されることがあります。安全面から60km/h位までが限界です。それに比べ高速道路はひどく荒れてない限りハンドルを取られる事も無く、90km/h位で巡航できます。ブレーキもそれなりに利きます。
圧雪では急発進すると軽くホイルスピンします。急ブレーキはABSがすぐに聞きますが、それなりに止まります。歩行では滑って転びそうな道でも、コントロールできて、ちゃんと止まれます。これには正直驚きました。
凍結に関しては、今回ガチガチの凍結路を走ることが出来なかったため詳しい検証が出来ませんでした。凍結に関してはかなり不得意であると思われます。まあスタッドレスでも滑りますからね。危険地帯って凍結防止剤がこれでもかってほど撒かれています。
今回高速道路が吹雪通行止めというハプニングが起きて、最悪な一般道峠越をさせられました。全輪スタッドレスタイヤの大型トラック5台くらいが阪を登れなく、吹雪の中チェーンを仲間どうし手伝いながら寒そうに巻いてました。私はチェーンも持ってないしスタッドレスタイヤでもないので、かなり焦りましたが、たまに軽くホイルスピンをするものの、騙し騙し走ることで危なげなく走ります。下りもエンジンブレーキを利用しながら問題なく走ります。
よく4WDは発進と登りで有効だけど、下りでは2WDと一緒なんて皆さんおっしゃいますが、そんなことありません。エンジンブレーキが最大の味方なんです。フットブレーキって効き目にムラがあるのです。フロントとリヤでは制動力にかなりの違いがあります。4輪均等にトラクションがかかっていると安定走行しやすいのです。普通の下り坂でもニュートラルでブレーキ踏みながら下るのと、エンジンブレーキを使用しながら下るのでは全然違います。それが4輪利くと安定度は増します。悪路ではなおのこと。もちろん4WDを過信してはいけないという意味合いで言っているのも理解できますが、駆動性能の違いは雲泥の差です。
ハプニングからとんでもない峠越えの経験が出来たのは、今回の検証に大いに役立ったと思いました。
今回の検証でコントロール不能やスタック、危険な事はありませんでした。予想以上の結果でスタッドレスに近い走りが出来ました。
しかし4WDという駆動性能と3500kgの車重が、タイヤの性能を大幅にプラスに引き出したと思われます。とはいえ、4WDでも夏タイヤではこんな安定走行が出来るはずありません。駆動性能、車重、タイヤの性能のバランスが良かった結果の安定走行だと思います。
逆にスタッドレスの場合ドライ&ウェット走行はグニャグニャで制動距離が延び、風にも弱く燃費も悪い。雪国在住ならともかく9割以上ドライ走行するカムロード4WDキャンパーには、砂利道、泥濘、砂浜、雪道オールマイティに活躍するマッド&スノーが最強のタイヤといえそうです。
フォング号とのマッチングでは、ドライ走行可能なスタッドレス寄りの雨にも強いオールテレーンタイヤです。
ということで、スタッドレスは売却します。
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